2025.11.22
インターネット革命から24年。AIと「人の温度」で紡ぐ、これからのホームページ制作

2025年11月、法人設立20周年を迎えて
2025年11月、私たちは法人登記(当初は合資会社、後に有限会社化)からちょうど20年という大きな節目を迎えます。個人事業主として産声を上げたフリーランス時代を含めると、その歩みは24年目となります。
私たちが事業をスタートさせた2000年代初頭、世界は「インターネット」という巨大な技術革新の真っ只中にありました。電話回線からISDN、ADSLを経て常時接続へ、テキストからリッチコンテンツへ、そしてパソコンからスマートフォンへ。私たちはその激動の波に乗り、技術の進歩をお客様のビジネスの成長に変えるべく、走り続けてきました。
そして今、私たちは再び、かつてのインターネット登場に匹敵する、あるいはそれ以上の衝撃をもたらす「AI(人工知能)」という大技術革新の真っ只中に立っています。
しかし、技術がいかに進化しようとも、私たちが大切にしてきた「根幹」は変わりません。それは、画面の向こう側にいるのは常に「人」であるという事実です。
データには映らない「感覚」と「共感」のデザイン
AIは、過去の膨大なデータから「正解」を導き出すことに長けています。これは人間では到底達し得ない領域です。「整ったデザイン」「破綻のないレイアウト」を作ることは、もはやAIの得意分野です。しかし、私たち人間が心から「いいな」と感じるデザインには、論理やデータでは説明できない「ゆらぎ」や「温度」が必要です。
対話が生み出す、唯一無二の「空気感」
ホームページ制作において私たちが最も重視しているのは、お客様との対話です。 ミーティング時の空気感、雑談の中で見せるふとした言葉、そして言葉の奥にある情熱や願望。これらはすべて、AIには検知できない重要な情報です。
「かっこいいサイトにしたい」という言葉一つをとっても、その裏にあるニュアンスは千差万別です。私たちは、お客様との人間関係の中で共有した感覚や、言葉にならない「共感」をデザインに翻訳します。 AIが作るデザインが「平均点の美しさ」だとしたら、私たちが目指すのは、お客様の体温が乗った「血の通った美しさ」です。
「ノイズ」こそが、ブランドの個性になる
AIは大変有意義で便利なツールで、もはや私たちのようなデジタルコンテンツに関わる事業者にはなくてはならない存在です。
ただAIは効率を求め、無駄(ノイズ)を排除しようとします。
しかし、デザインにおける魅力とは、往々にしてその「計算された無駄」や「意図的な違和感」に宿ります。 24年の経験を持つ私たちは、あえてセオリーを崩したり、人間味のある手触りを残したりすることで、AIには真似できない「記憶に残る違和感」を演出します。それこそが、他社との差別化を生み、ブランドの個性となると考えています。
写真・映像に宿る、クリエイティブの「一貫した体温」
私たちは創業当初から、ウェブサイトの価値を最大化する上で「写真や動画」といったビジュアルコンテンツの重要性を深く認識し、お客様にお伝えしてきました。AI技術がどれだけ進化しても、その場でしか捉えられない光、一瞬の表情、空間の「空気感」を切り取るのは、人間の目と手に勝るものはありません。
実際、弊社の事業における写真撮影や動画撮影の業務が占める割合は、年々大きくなっています。これには理由があります。それは、デザインを手がけるクリエイター自身が、撮影という他のクリエイティブワークを兼ねることで、デザイン全体のトーン&マナーと、写真・動画表現との間に完璧な整合性を生み出すことができるからです。
AIが提供する「平均点の美しい画像」に対し、デザインの意図を深く理解した「人の手」による撮影は、お客様の現場で響く情熱的な音、被写体が醸し出す雰囲気や歴史、人の表情や奥ゆかしさしといった「血の通った温度」をそのまま切り取ります。この一貫した制作プロセスこそが、ウェブサイトに真の説得力と深みを与え、ブランドの核を形成すると考えます。私たちはこの手仕事の重要性を再認識し、今後もサービスを強化していきます。
AIと人が共創する、現代の「三方良し」
近江商人の理念である「三方良し」。私たちはAI技術と人間の感性を融合させることで、この理念を現代に合わせて再定義します。
1. 【事業者様にとっての良し】 負担とコストを最小限に
AIの活用により、これまでホームページ制作の大きなハードルであった「原稿作成の労力」や「制作期間の長さ」を劇的に圧縮します。CMSツールやASPツールの選定から、生成AIによるコンテンツ制作の補助まで、あらゆるテクノロジーを駆使して、お客様の金銭的・時間的コストを削減します。
2. 【ホームページの向こう側にいるお客様にとっての良し】 心に届く体験
AIによる高度なデータ分析とSEO(検索エンジン最適化)で情報を整理しつつ、そこに「人の情緒」を吹き込みます。検索意図を満たす利便性と、心を動かすストーリー性を両立させることで、エンドユーザーにとって「役立つ」だけでなく「好きになる」ホームページを実現します。
3. 【私たち(制作会社)にとっての良し】 クリエイティブへの純粋な没頭
単純作業やデータの整理をAIに任せることで、私たちプロフェッショナルは、人間にしかできない「感情のデザイン」に100%の情熱を注げるようになりました。お客様の想いを深く理解し、それを形にする喜びに没頭すること。それが結果として、より良い成果物を生み出します。
未来へ。手作業とAIが織りなす新しい景色
24年前、私たちがインターネットという未知の道具をいち早く手の内に入れ、お客様にその可能性を提供してきたように、これからの時代はAIと手を取り合い、新たな価値を創造していきます。
しかし、AIはあくまで「道具」であり、主役は「人」です。 お客様と私たちが築き上げる信頼関係、そこから生まれる共感、そして熱量。それらがあるからこそ、AIという道具は輝き、ホームページやデザイン、魂が宿ります。
24年の歴史に裏打ちされた確かな技術と、AIによる革新的なスピード、そして何より、人と人との関わりから生まれる温かいデザイン。 そのすべてを兼ね備えた「プロ」として、私たちは次の時代も、お客様のビジネスを一番近くで支えるパートナーであり続けます。
